荷主はつらいよ! 物流危機では真っ先に「悪者」化、小売りに振り回されトホホな毎日だ
運送会社の運賃値上げで、戦々恐々とする荷主。しかしそんな彼らにも、「荷主はつらいよ」の事情があった。
荷主と運送会社の力関係が逆転

大手宅配便事業者による運賃値上げの動きが再び活発になっている。佐川急便は2023年4月より宅配便運賃を平均8%、ヤマト運輸も同月から平均10%程度値上げすると発表した。
発表されたのは個人向けの宅配便の運賃だが、値上げ対象がこれだけにとどまらないのは誰の目にも明らかだ。この先、法人向けの宅配料金や企業間輸送のトラック運賃の値上げが行われるのは間違いない。
ヤマト運輸は2017年、
・宅配便運賃の大幅値上げ
・取扱数量に一定の枠を設ける総量規制
を行った。当時「ヤマトショック」といわれ、電子商取引(EC)事業者を中心とした荷主を震撼(しんかん)させた。今回の動きについても、大手運送企業はヤマトショックに匹敵する覚悟があると考えられる。
佐川急便やヤマト運輸の値上げを口実にして、これから他の運送会社の値上げ要請も雪崩のように起こってくるだろう。実際の運賃の上昇幅がどの程度になるかは、荷主企業と運送企業の力関係によるが、
「現状維持で済む」
と安心しきっている荷主はほとんどいないのではないか。
ドライバーの労働時間規制が強化される「2024年問題」においても、これから荷主への
・値上げ要請
・運行時間の制限
・リードタイム(商品発注から納品までの時間)延長
などの交渉が本格化してくる。最悪、運送会社から
「もう運べないので貴社の輸送から撤退する」
という言葉を突き付けられる荷主も出てくるのは間違いない。今までの力関係は荷主が圧倒的に強かったものの、これからはそれが少しずつ逆転する。