「全国旅行支援」で観光需要は本当に回復するのか? 物価高で消費者の“節約志向”加速、レジャーはその対象にならないか

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全国旅行支援だけでなく、10月に入ってからアフターコロナの観光市場回復に向けた施策が動き出している。ここではその展望を見ていきたい。

「全国旅行支援」のおさらい

国内観光地のイメージ(画像:写真AC)
国内観光地のイメージ(画像:写真AC)

 10月11日から、国の観光需要喚起策である全国旅行支援(全国旅行割)が開始された(地域によって開始時期は異なり、東京都は20日より開始)。新型コロナウイルスの感染拡大によって大きな打撃を受けた観光産業を支援する国の施策だ。

 この全国旅行支援だけでなく、10月に入ってからアフターコロナの観光市場回復に向けた施策が動き出している。ここではその展望を見ていきたい。

 全国旅行支援は旅行代金の40%割引、割引上限最大8000円(ひとり1泊当たり、交通付き宿泊旅行、その他5000円)を国が補助、さらに旅先の食事やお土産物の購入に使用できる最大3000円分のクーポンも配布する観光支援制度だ。

 コロナ禍の観光需要喚起策といえば、菅内閣で実施された「GoToトラベル」が思い出される。2020年7月22日に感染が拡大していた東京都を除いて開始されたものの、さらなるコロナの全国への感染拡大によって中断された。全国旅行支援はその岸田内閣版といえるだろう。

地方自治体で行われる需要喚起策

「もっとTokyo」のウェブサイト(画像:東京都)
「もっとTokyo」のウェブサイト(画像:東京都)

 すでに地方自治体では旅行割などの観光需要喚起策が実施されており、場合によっては全国旅行支援に上乗せすることも可能で、かなり大きな金額の補助となる。

 東京都の「もっとTokyo」は都民が都内を旅行する場合、ひとり1泊につき6000円以上の料金で5000円割引(5泊まで、詳細は公式サイトなどで要確認。以下同じ)、日帰り旅行は3000円以上の料金で2500円割り引かれ、全国旅行支援との併用が可能である(併用の場合は上限金額が異なる)。

 徳島県では「みんなで!徳島旅行割プラス」と銘打って、県民に関わらず県内宿泊の旅行代金をひとり1泊につき最大5000円(3泊まで、宿泊料金によって補助額は異なる)が補助され、全国旅行支援と併用すればかなり格安で宿泊できる。

 コロナ禍で長く旅行を我慢してきたなかで、この機会に旅行をと考える人も多いことだろう。すでにコロナ第8波が拡大してきている状況だが、12月16日時点では国は感染拡大によって経済活動を止めない方針であり、全国旅行支援も継続されていると考えられる。11月25日、観光庁は全国旅行支援の12月27日までの延長を決め、さらに観光需要が集中する時期を割けて、2023年は1月10日から3月まで実施する見通しだ。割引率は20%、上限最大5000円に引き下げられる。

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