「免許なければどこにも行けない」 伸び悩む免許返納、高齢者バッシングの裏にある非情な現実を見よ

キーワード :
, ,
高齢ドライバーの運転免許自主返納への関心が高まっているが、返納率はやや頭打ちの感もある。免許返納にまつわるあれこれと、高齢ドライバーの事故防止に向けての取り組みなどを紹介する。

返納以外のアプローチ

高齢者マーク(画像:写真AC)
高齢者マーク(画像:写真AC)

 免許返納を停滞させる理由と、それを改善して免許返納を促進する取り組みについて書いてきたが、そもそもなぜ免許返納が目指されるかといえば「高齢ドライバーによる事故を減らすため」である。つまり、それが実現されるのであれば、免許返納だけにこだわる必要はない。ひとつだけのアプローチを徹底しても、おそらく「ゼロ」にするのは難しいので、さまざまな方向からアプローチするのが望ましい。

 そのひとつとして、車の自動運転装置の発達は、大きく寄与するだろう。現に、特定の安全運転支援装置を備えた自動車ならば運転できる「サポートカー限定免許」の運用が2022年5月からスタートしている。取得者はまだ少ないようだが、運転に不安はあっても、生活のためにどうしても車を手放せない人にとって、この限定免許は力になってくれるはずである。

 重大な事故を引き起こす恐れのある、ドライバーの「アクセルとブレーキの踏み間違い」は、これを防止する新技術・新機能によって、根絶される未来があるかもしれない。

 興味深いのは、例えば「踏み間違い防止」機能をひとつ取ってみても、アプローチ方法が違っていて、技術の進歩を実感させられる点である。従来の衝突防止や踏み間違い防止装置は、車に搭載されたセンサーが周囲の障害物を検知して加速を抑制する仕組みであった。

 一方、2022年9月にホンダが発売した軽自動車に搭載された、新しい「踏み間違い防止」機能は、時速30km以下で走行している際、急にアクセルを踏み込んでも、車側が「アクセルの踏み間違いをしているのではないか」と判断して、警告を発するとともに、アクセルを踏み続けても5秒間は加速せず、5秒後以降の加速も時速30kmまでに抑制する――という仕様になっている。つまりこの新機能は、周囲に障害物がなくとも発動されるのだ。

全てのコメントを見る