新幹線完成後は「在来線 → 第三セクター」が日本の現状も、ヨーロッパは違った! なぜしっかり維持できているのか

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整備新幹線が開通したら、並行在来線はJRから経営分離され、大半が第三セクターに移行するのが日本の現状だ。だが、ヨーロッパは違う。なぜ、並行在来線を維持できるのか、解説する。

国鉄分割民営化が影響

在来線区間を走るドイツの高速列車ICE。線路や車体規格が在来線と同じ点がヨーロッパの高速列車の特徴(画像:橋爪智之)
在来線区間を走るドイツの高速列車ICE。線路や車体規格が在来線と同じ点がヨーロッパの高速列車の特徴(画像:橋爪智之)

 現在も北海道と北陸で建設が進められ、未着工区間もある整備新幹線。その建設条件のひとつに「並行在来線の経営分離」というものがある。新幹線が開業した後、並行する在来線は、それまで大きな収入源となっていたであろう長距離利用客が新幹線へと流れることで、収益の悪化が予想される。

 全国新幹線鉄道整備法が制定されたのは1970年のことで、当時はもちろんJRになる前の国鉄時代であったから、仮に在来線が赤字になったとしても、新幹線で得た利益でカバーするという考え方が許された。しかし、民間企業のJRとなった現在、採算性の悪い在来線も維持するのは、JRにとって大きな負担となる。

 新幹線建設はいわば国策事業だが、その建設によって生じたしわ寄せをJRに負担させることはできないから、整備新幹線開業と引き換えにJRから経営分離させる、という条件が設定されたのだ。

 ここへ至るまでには「国鉄の赤字問題」とそれに伴う「整備新幹線計画凍結」、長野五輪開催へ向けての「計画凍結解除および長野新幹線建設」、「国鉄分割民営化に伴う建設費の負担割合や運営主体問題」といった複雑な話が絡んでくるが、本筋からそれるため、ここでは割愛させていただく。

 JR誕生後、この「並行在来線の経営分離」という条件が付加されたことで、以後現在へ至るまで、整備新幹線の開業とともに在来線は次々とJRから切り離され、一部を除いて第三セクターへと引き継がれていった。

 では日本と同様に、今も高速新線の開業が続くヨーロッパ各国はどうなっているのか。

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