走るエンタメ「AFEELA」の衝撃 自動運転普及でドライバーの「退屈」は本当に癒されるのか?
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業界に一石を投じたソニーの考え

国産初のトランジスタラジオをはじめ、電機メーカーとして創業したソニー。しかし近年、オーディオ製品やロボットだけでなく、音楽業界や生命保険、金融やゲームなど、挙げたらきりがないほど多角化が進んでいる。
そんなソニーだが、ホンダとパートナーシップを結ぶ以前、自動車業界に新たな旋風を巻き起こすきっかけとなるマシンを生み出していた。2001(平成13)年にトヨタと共同開発したコンセプトカー「pod」である。
同車両は、いわばソニーのロボット犬「aibo」の車版だ。簡単な人工知能のが搭載されており、ヘッドライト、タイヤ、アンテナなどを駆使して喜怒哀楽を表現するという斬新な機能を有していた。2001年の東京モーターショーに展示され、人工知能を持つ先進的なコンセプトカーとして大いに注目を集めた。
このときからソニーは、自動車を単なる道具ではなく「ユーザーを楽しませるためのパートナー」として認識し、将来の自動車業界参入を見据えていた。
そして時がたち、2019年にはヤマハ発動機と共同開発した自動運転カート「Sociable Cart(ソーシャブルカート):SC-1」を発表。3135mm(全長)×1306mm(全高)×1830mm(全幅)の大きさで、5人まで乗ることができる電動カートだった。
室内や車体側面には高精細ディスプレーをビルドイン。カメラで捉えた車両の前後左右の様子や走行場所に応じて、さまざまな映像や融合現実映像(Mixed Reality)を映し出すことができる。現在はアトラクション感覚で乗車できる車両として、沖縄県北谷町内の観光エリアを中心に試験運用が行われている。
さまざまな試みを行っているソニーだが、今後自動車業界参入にあたって「ユーザーを楽しませて、斬新的で先進的なアイデアを現物にする」をモットーに、自動車業界の変革をもたらすだろう。