佐川急便、宅配便平均8%値上げも 「トラック運賃」全体の底上げを阻む堅牢な業界構造
1月末、佐川急便が4月からの宅配便等の運賃値上げを発表した。値上げ幅は平均8%程度と報道されており、かなり思い切った値上げを打ち出した印象である。
成果のない「値上げ」取り組み

そのように考えざるを得ないのは、これまで値上げがほとんど進まなかったという経緯があるからだ。
トラック業界では「適正運賃の収受が必要」という共通認識のもと、これまで業界を挙げて運賃適正化の動きを進めてきており、その取り組みには敬意を表したいが、非常に残念なことながら、成果は十分とは言えない。
運賃の推移は「企業向けサービス価格指数」といった公的統計で確認することができるが、これを見ると、宅配便など一部の領域で大幅な値上げが生じている一方、トラック運送の大部分を占めるその他の輸送種別では、わずかな値上がりしか生じていない。
周知のとおり、世界中をインフレの波が襲っているが、日本の物価上昇率は世界的に見ると相対的に低い。その主たる要因はサービス業の価格が上がらないことであり、運送業もまさにその典型である。
佐川急便の値上げは物流業界に一石を投じた形だが、この取り組みが実際に運送業界の運賃上昇につながるかどうか、期待を持って見守りたい。