山陰本線から交通革命が起こる? 自治体団結「交通連合」、ローカル線を救うため事業者依存から脱却だ
山陰本線利用促進のワーキングチーム検討会で、兵庫県養父市が交通連合の設立を提案した。ドイツで公共交通維持に向け導入されている組織だが、日本初の導入は実現するのか。
急激な人口減少に危機感

但馬地区は京阪神から2~3時間で移動でき、城崎温泉や餘部鉄橋、竹田城跡、冬のカニ料理など観光の目玉となる場所や名物があるものの、人口が2022年4月現在で約15万人。21世紀に入って20万人を割り、急激な減少に直面している。
単に交通連合を設立するだけでは、現状とさほど変わらない。ローカル線の利用客減少がこれほど深刻化した背景には、人口減少と少子高齢化が進む中、国や自治体が利用促進を
「交通事業者に任せきりにしてきた」
ことがある。
しかも、人口が密集して一定の利用客を見込める大都市圏と違い、地方はコスト面で大きな不利を抱える。既視感がある利用促進策を総花的に並べ、推進していくだけでなく、効果を疑問視する声が出ても不思議でない。求められているのは自治体のより積極的な関与だろう。
提案した養父市も人口減少に強い危機感を持っている。養父市土地利用未来課の大津耕平課長は
「利用促進である程度の成果が出たとしても、人口減少が続けばいずれ限界が来る。持続可能な公共交通を考えれば、より積極的に自治体が関与せざるを得ない。そのための方策が交通連合だ」
と提案の狙いを語った。
現時点では提案が出された段階にすぎないが、検討会でWTの代表を務める豊岡市長の関貫久仁郎氏やJR西日本の国弘正治兵庫支社長らは前向きに受け止めている様子だった。
交通連合が実現すれば、自治体がどこまで主導権を取って運行に関与し、持続可能な生き残り策を打ち出せるのか、但馬地区自治体の真価が問われている。