「ローカル線の乗車券 = QRコード」が欧州の常識! 出遅れ日本はいつ追いつけるのか
ひも付けも不要

筆者(橋爪智之、欧州鉄道フォトライター)の2022年10月15日(土)配信の記事「新幹線はいつまで「紙の切符」なのか? 他国はeチケット化、取り残される日本の特殊事情とは」は、鉄道の予約・乗車方法について、ヨーロッパと日本の違いを解説したものだが、否定派・肯定派含めて大きな反響があった。
記事に対して頂戴した意見の多くは、すでに各JRの会員登録を済ませ、ICカードを日常的に利用している読者からのもので、普段利用していない人の意見は少数派だった。
これは、日本人の多くはすでに会員登録を済ませ、ICカードを所持しているからなのか、単に会員ではない人が記事に無関心だったのかは定かではないが、いずれにせよ、すでに日本である程度確立しているシステムについて、これ以上何かする必要などないという論調が大勢を占めたように感じた。
その文中において、筆者は海外の事情として「QRコード」を用いた検札について触れた。繰り返しになるが、ヨーロッパではチケットの予約をネット上で行った後、メールに届くQRコード付き乗車券を印刷するだけで列車に乗車することが可能で、駅で切符を受け取る必要はない。
これは非常に便利で、会員登録も特別な知識も要らないし、もちろん交通系ICカードとのひも付けなどといった、よく利用する人以外には難しい操作も必要ない。
全ての利用者はウェブサイトへアクセスし、乗車区間と日時、メールアドレスを入力するだけで、簡単に予約や発券ができるし、海外からの訪問客も慣れない操作に戸惑うことなく、ただ送られてきたPDFのeチケットを自分で印刷するかスマートフォンに保存しておくだけで良い。
しかも、これは新幹線のような一部の優等列車だけの話ではなく、1両のレールバスが走るローカル線の乗車券もウェブ上で買えてしまうのだ。