意外と知らない? 世界的半導体メーカーが「熊本」にわざわざ上陸する理由
台湾の世界的半導体メーカー・TSMCの進出で、九州・熊本が盛り上がっている。その背景を解説する。
足りないものは外の力を借りる
1980年代には、半導体大国と呼ばれた日本。しかし、その後日本の半導体産業は少しずつ後れを取り始め、いまやその多くを外国からの輸入に頼っている。いまから最先端の技術を追いかけても、日本の半導体業界がかつての栄光を取り戻すには長い時間がかかるだろう。足りないものは自前ではなく、外の力を借りる。
こうして熊本への工場誘致が決まった。2022年に着工した新工場は、2024年に稼働予定だ。造るのは自動車や家電などの汎用(はんよう)品に使う半導体で、主に日本メーカーに向けて供給される見込みだという。
TSMC誘致がどのような未来につながるかはわからない。しかし、熊本在住の筆者は地元経済への波及を大いに期待している。