日本驚異の技術力! 江戸期に考案されたとは思えぬ「複合機械」とは何か

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中世、近世、近代と、独自の動力技術革新を行ってきた日本の農商工業。江戸時代に原型が考案されたとは思えない、驚異の複合作業機械を紹介する。

独自の動力技術革新を重ねてきた日本

東京・三鷹市の東京都指定有形民俗文化財「武蔵野(野川流域)の水車経営農家」。通称は「新車」(画像:写真AC)
東京・三鷹市の東京都指定有形民俗文化財「武蔵野(野川流域)の水車経営農家」。通称は「新車」(画像:写真AC)

 東京都三鷹市の郊外、田園地帯の中に1軒の大きな古い農家がある。

 地域での通称は「新車(しんぐるま)」。これは水車を意味する古い呼称であり、この農家の敷地内に大きな水車とそれに付随するさまざまな作業機があることから、そう呼ばれることとなったと言われている。

 この建物の正式な名称を「武蔵野(野川流域)の水車経営農家」(東京都指定有形民俗文化財としての呼称)、もしくは「旧峰岸水車場」(日本機械学会認定機械遺産としての呼称)と言う。

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 中世から近世、そして近代にかけて、日本の農商工業は時代ごとに独自の動力技術革新を行ってきた。

 最初は人力、そして畜力。中でも水力を利用した水車は、最初に基本となる構造物をしっかりとした設計とともに建設してしまえば、その後必要なのは定期的な保守と点検のみというもの。

 しっかりした装置であれば、長期間にわたって安定した運転を行うことも難しいことではなく、水車とそれに付随する搗臼(つきうす)や挽臼(ひきうす)などの作業機はいずれも現代でいうところの自動運転が可能だった。