日本驚異の技術力! 江戸期に考案されたとは思えぬ「複合機械」とは何か
中世、近世、近代と、独自の動力技術革新を行ってきた日本の農商工業。江戸時代に原型が考案されたとは思えない、驚異の複合作業機械を紹介する。
欧米の産業革命と一線画す奇跡の複合作業機

ちなみに新車本体を構成する部品の中で最重要部品とも言えた心棒(駆動軸)、軸受け、万力(歯車)などには、それぞれ時代をへるごとに多くの工夫がなされ、追加されていた。
特に、最も消耗が激しかった心棒とそれを支える軸受け(石材)には、独自の工作として軸受けに接触する心棒の表面には巻き板と称する特に堅く丈夫な樫材を張った二重構造としていたこと。
巻き板は合計12枚で心棒の周囲を覆う形となっており、その巻き板同士の間には菜種油を染み込ませた米ぬかを詰めることで、軸受けとの間の潤滑油の保持を良くしていた。
そして同時に、消耗に伴って摩耗した際には、巻き板の交換だけでその性能をよみがえらせることができるといった設計は、極めて優れていたと言っていいだろう。
なお新車本体の心棒は、当初は欅(けやき)材が使われていたが、おそらく大正時代の大改修時に鉄材へと変更されている。
ただし、その他の部分の心棒は欅材と巻き板が使われている。同じくせり上げも当初は木製だったが、これも改修時に鉄製へと変更されている。
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旧峯岸水車場の一連の機械群は、欧米の産業革命と一線を画していた近世日本における、奇跡の複合作業機に他ならなかった。
基本設計がいわゆる産業革命以前のものにもかかわらず、日本機械学会によって機械遺産に認定されたのも、当然というべき見事な装置である。