時速200kmで衝突 相手死亡も、真っすぐ走れば「危険運転にあらず」は理不尽だ! 今こそ求められる司法の歩み寄り

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時速194kmで一般道を走る車が事故で他人を死亡させても、この国では「まっすぐ走らせている」から「危険運転にはあたらない」とされてきた。しかし、この流れが変わろうとしている。

一般社会の認識から逸脱か

自動車(画像:写真AC)
自動車(画像:写真AC)

 時速194kmで一般道を走る車が事故で他人を死亡させても、この国では「まっすぐ走らせている」から「危険運転にはあたらない」とされてきた。しかし、この流れが変わろうとしている。

 2021年2月、大分市の片側3車線の一般道で19歳(当時)の元少年が時速194kmで自動車を走らせて右折中の対向車と衝突、対向車を運転していた50歳(当時)の会社員男性が死亡する事故があった。この一般道の法定速度は時速60km、法定速度の3倍以上のスピードで運転していたことになる。

 大分県警は2021年4月「危険運転致死罪」の疑いで書類送検したが、大分地検は翌年の7月「過失運転致死罪」で在宅起訴した。危険運転致死は最長で懲役20年だが、過失運転致死は7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金と刑は軽くなる。つまるところ、当初は「危険」ではなく「過失」と地検に判断されていた。

 一般道を時速194kmで車を走らせて衝突、相手を死亡させて「まっすぐ走らせている」から「制御できていた」、つまり「過失」であり「危険運転にはあたらない」では、亡くなった男性の遺族が納得できるわけがない。

 遺族は「過失」から「危険」への「訴因変更」を求めて署名活動を展開、2022年10月に2万8000人分の署名を大分地検に提出した。それを受けて地検は12月1日に訴因変更を請求、大分地裁もそれを認め、ようやく同年12月20日、危険運転致死罪で起訴となった。

 そもそも

「一般道を時速194kmで走って人をあやめたが、まっすぐ走っていたから制御はできていた、しかし時速194kmまでアクセルを踏んではいたが、危険を及ぼすことは予見できなかった、ゆえに過失である」

では余りに一般社会の認識から逸脱しているように筆者(日野百草、ノンフィクション作家)は思う。実際、これまでも危険運転致死傷罪に問えず、国民からの非難を浴びることは度々あった。

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