電動アシスト自転車「バッテリー盗難」が多発! 千葉では年間件数50倍、そもそもなぜ標的にされるのか
鍵壊されずに盗まれるケース多数
犯行の手口だが、鍵そのものを破壊してバッテリーを盗むだけではない。2022年11月10日付けの『千葉日報』は名指しを避けているものの
「特定メーカーの電動アシスト自転車が鍵が壊されることなく盗まれるケースが目立つ」
としており、プロによる犯行の可能性を示唆している。
電動アシスト自転車は購入時に鍵が付いた状態で販売されるため、スペアキーが必要な場合には、
・鍵番号
・保証書
を準備してメーカーに発注しなければならない。つまり、一定水準以上の強固なセキュリティーがあるのだ。それにもかかわらず、プロの手にかかれば無力なのである。
盗難補償サービスも登場
盗難の多発を受けて2022年11月から、メーカーのひとつであるヤマハ発動機販売(東京都大田区)はバッテリーが盗まれた場合、
「購入金額の7割を補償する」
有償サービス「e-安心プラスone」を開始している。これは新規購入者を対象に、3300円を支払えば購入から3年間のバッテリー盗難を補償するものだ。
かつて、盗難被害を補償する自転車保険は少なかったが、スポーツサイクルや電動アシスト自転車などの高額自転車の普及が進んだことで、近年、その数は増えている。とりわけ電動アシスト自転車は、購入時から数年間は無料で盗難補償を行うサービスを付帯させるようになっていた。今回のヤマハ発動機販売のサービスは、補償の範囲を自転車本体だけでなく、バッテリーにも広げた形だ。
とはいえ、いったん盗まれれば代品が到着するまで使用不可能になってしまう。電動アシスト自転車の利用者はわかるだろうが、バッテリーのない電動アシスト自転車は
「重くて自力でこぐのは困難」
である。今後は備えとして、自宅に駐輪する際はバッテリーを外し、外出先で駐輪する際にはバッテリー用のロックを装着するようにしたいところだ。ロックは1500円程度で買える。万が一の備えとしては高額ではないだろう。