電動アシスト自転車「バッテリー盗難」が多発! 千葉では年間件数50倍、そもそもなぜ標的にされるのか

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コロナ禍で需要が急増した電動アシスト自転車。しかしその背後で、バッテリー盗難事件が発生していた。対策はあるのか。

千葉県での盗難件数、1年で50倍

電動アシスト自転車の操作パネル(画像:写真AC)
電動アシスト自転車の操作パネル(画像:写真AC)

 電動アシスト自転車(モーターが人力を補助する自転車)は1993(平成5)年に日本国内で販売され、性能・デザインの進化などによって、2018年には軽快車(いわゆるママチャリ)の販売台数を上回った。そしてコロナ禍で、「密」を避ける移動手段として需要はさらに増えた。

 経済産業省のデータによると、2021年1~10月の出荷台数は前年同期比の9.3%増となる

「66万8402台」

となっている。

 2022年に入っても売れ行き好調で、売れ筋モデルは15万円前後が相場だ。ただ、アルミニウムや鉄といった原料価格の高騰や半導体不足で価格は2021年以降、1割あまり上昇している。そんななかでも好調なのは、それだけ現代人のライフスタイルに合っているのだろう。

 一方、「バッテリー盗難」のトラブルも後を絶たない。東京都の多摩地域中部に位置する昭島市では、2022年11月30日深夜から12月1日の早朝にかけて、

「64個」

ものバッテリーが盗まれた。

 全国の新聞記事を調べてみたところ、コロナ禍以前に電動アシスト自転車のバッテリー盗難事件が報じられたのは2019年5月の1件のみで、ある意味“珍事件”だった。しかし、現在は「またまた盗難事件」という扱いになっている。

 警視庁によれば、都内での盗難事件は、

・2020年:148件
・2021年:314件

と2倍以上になっており、2022年はさらに増えると見込まれている。なお、千葉県では2022年1月から10月までに247件の盗難事件が発生している。2021年同期はわずか5件だったというから、もはや50倍なのだ。

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