国鉄時代は12都市! 「鉄道の町」は今でも地域活性化のPR資源となりうるのか

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2022年、鉄道開業から150周年を迎えた。長い歴史のなかで、国内には「鉄道の町」と呼ばれる都市が幾つか存在している。

旧国鉄「鉄道の町」は12都市

北海道岩見沢市にある旧北海道炭礦鉄道岩見沢工場(画像:写真AC)
北海道岩見沢市にある旧北海道炭礦鉄道岩見沢工場(画像:写真AC)

 これらのほかにも、全国にはさまざまな鉄道の町が見られる。

 かつて、旧国鉄では公式に「鉄道の町」を認定していた。大宮、新津(現新潟市秋葉区)のほか、

・岩見沢(北海道)
・追分(現北海道安平町)
・土崎(現秋田県秋田市)
・米原(現滋賀県米原市)
・吹田(大阪府)
・多度津(香川県)
・米子(鳥取県)
・津和野(島根県)
・直方(福岡県)
・鳥栖(佐賀県)

の12都市があげられている。

 その地方の交通の玄関口である都市や、その地方の鉄道発祥の地である都市、その地方最大の工場や操車場などが位置する都市のほか、石炭などの資材の輸送拠点だった都市も選ばれている。

 かつては鉄道の恩恵があったものの、現在は産業構造の変化によって廃線になったり、拠点機能がなくなったりして、衰退した都市も見られる。

鉄道は地域活性化の「資源」

京都府京都市にある京都鉄道博物館(画像:写真AC)
京都府京都市にある京都鉄道博物館(画像:写真AC)

 鉄道の歴史を支えて発展してきた土地では、現在、鉄道ミュージアムを建設して観光資源として鉄道を活用している。三笠鉄道記念館の北海道三笠市、碓氷峠鉄道文化むらの群馬県安中市松井田町などがそうだ。

 国内最大級の鉄道ミュージアムである京都鉄道博物館は、梅小路機関区のSL扇形車庫があったことから現在地に位置している。博物館内にはSL扇形車庫の遺構が残っている。

 また、いすみ鉄道や銚子電鉄、三陸鉄道、IGRいわて銀河鉄道、肥薩おれんじ鉄道などのローカル線は収益確保のためにさまざまな集客施策を行っており、それが地域の観光資源となっているところも多い。このようなローカル線の取り組みを地域活性化に取り入れようとする動きもある。鉄道とともに地域観光を盛り上げようとする沿線の都市も鉄道の町と言えるかもしれない。

 鉄道は交通手段のひとつであるが、老若男女を問わず通勤、通学、出張、旅行、帰省など身近に利用され、長い歴史のなかで地域住民の生活に寄り添い、地域文化を形成する要素のひとつとなった。

 今は鉄道を趣味とする鉄道ファンや、乗り物遊びで鉄道が好きな子どもをはじめとして、生活のなかで鉄道を身近に感じている人は多く、鉄道は地域活性化の資源となる時代になっている。興味のある人は鉄道の町を訪れてみてはどうだろうか。

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