国鉄時代は12都市! 「鉄道の町」は今でも地域活性化のPR資源となりうるのか

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2022年、鉄道開業から150周年を迎えた。長い歴史のなかで、国内には「鉄道の町」と呼ばれる都市が幾つか存在している。

代表格は旧「大宮市」

群馬県安中市にある碓氷峠鉄道文化むら(画像:写真AC)
群馬県安中市にある碓氷峠鉄道文化むら(画像:写真AC)

 2022年、鉄道開業から150周年を迎えた。長い歴史のなかで、国内には「鉄道の町」と呼ばれる都市が幾つか存在している。鉄道関連の工場が位置していたり、交通の要衝でさまざまな路線が乗り入れていたり、理由はさまざまだ。

 鉄道ゆかりの地であることを活用して地域活性化を図る都市も見られる。2022年、鉄道の町では新型コロナウイルスの感染拡大で中止されていた鉄道イベントが3年ぶりに開催されて、鉄道150周年を盛り上げた。

 鉄道の町の代表格には大宮市(現・さいたま市大宮区)がある。大宮市は明治から日本鉄道の大宮工場が操業し、最盛期には5000人以上の従業員を擁する大工場となり、鉄道の町として認知されている。

 2007(平成19)年10月に車両解体場跡にオープンした鉄道博物館は鉄道ミュージアムブームを生み出した聖地と言える施設だ。コロナ前は年間100万人レベルの入場者が見られた。鉄道博物館では、鉄道開業150周年記念企画展として「鉄道の作った日本の旅150年」を開催。鉄道によって姿を大きく変えてきた日本人の旅と鉄道の関わりをさまざまな資料や画像で紹介した。

 また、大宮駅は東北・北海道、上信越、北陸方面や首都圏の各地を結ぶ新幹線6線、在来線7線が乗り入れる日本屈指のターミナル駅でもある。JR東日本ではさいたま市と共同で2001年から毎年「鉄道のまち大宮 鉄道ふれあいフェア(旧名JRおおみや鉄道ふれあいフェア)」を開催している。コロナにより休止していたが、11月26日に3年ぶりの開催となった。

 車両センターでは特急E257系の試運転線約1.7kmの試乗、メンテナンス中の車両の見学会が開催された。そのほかにも、手作りワークショップ、ミニSLとの記念撮影、駅弁や大宮ナポリタン(鉄道職員が好んで食べたという大宮区のご当地グルメ)に鉄道グッズの販売、鉄道好きタレントのステージイベントなど、盛りだくさんだった。