自転車運転、ヘルメット無しでは致死率「1.6倍」だった! 4月の着用「努力義務化」から見える交通行政の怠慢ぶり 利用者はまず意識向上を
2023年4月、すべての自転車利用者に対しヘルメットの着用が努力義務化される。このような非現実的(とあえて言おう)な法改正の裏には、自転車事故をなんとか減らしたいという必死の思いがある。
「減らない」自転車が関与する交通事故

だが、年々減少傾向にある交通事故による負傷者数、死亡者数に水を差しているのが、自転車乗用中の交通事故である。
先のグラフをご覧いただければ分かる通り、自転車利用中の重傷者数は、他の交通手段(オートバイ、クルマ、歩行者)に比べれば、明らかに減少数が少ない。2011年、全重傷者における自転車利用者の割合は20.1%だったが、2021年には24.2%まで上昇した。オートバイ、クルマの事故による重傷者が大幅に減った半面、自転車事故による重傷者の減少数が少ないため、相対的に割合が上がってしまったためである。
交通事故は減らさなければならない。最近の交通事故の傾向を考察したとき、課題となるのは、高齢者(65歳以上)と自転車なのだ。