自転車ユーザー、実は交通違反だらけだった! 「免許が要らない」慢心か、警察庁も取り締まり本腰

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免許が要らず、誰でも気軽に乗れる便利な自転車。それゆえか、本人も意識しないうちに違反行為を繰り返しているケースは想像以上に多い。

検挙件数、10年間で4000件→2万5000件

自転車(画像:写真AC)
自転車(画像:写真AC)

 免許が不要で便利な乗り物といえば、自転車が真っ先に思う浮かぶだろう。昨今は電動アシスト自転車も普及し、その速達性は大きく向上している。

 多くの人にとって欠かせない移動手段となっている自転車だが、免許が不要のためか、違反行為をしていることに気づいていない人も多い。そこで、どのような行為が違反となるのかまとめる。

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 警察庁のウェブサイトによると、自転車の違反件数が増加傾向にあるとして、取り締まりを強化している状況がうかがえる。2011(平成23)年に3956件だった検挙件数は、2020年に2万5467件に激増した。

 背景には、今まで明確に罰金を徴収する仕組みやあるいは本人確認が困難なことから、取り締まりを厳しく行えてこなかったことがあるようだ。このたびの強化は、マイナンバーカードの整備や自転車保険の加入義務などにより、本人確認が可能になる仕組みができたことと連携していると考えるのが自然だろう。

 自転車の事故件数自体は、2011(平成23)年は14万4062件、2021年は6万9694件と、半減している。

 しかしながら、自動車などを含めた事故の件数はそれ以上に減っているため、2011年で事故全体の20.8%だった自転車事故が、現在は22.8%と、その割合はむしろ増加しているというのが実情だ。

 自転車の取り締まりに関しては、2000年初頭から厳しくなると言われ続けてきた。そして、事故件数の絶対数に注目して見れば、効果があったと言えるような結果になっている。

 しかしながら、誰でも乗れるという気軽さも相まって「注意で済む」「これくらいいいだろう」と違反を繰り返すユーザーが少なからずいたのもまた事実だろう。

 そのため、他の交通事故の減少具合と自転車事故の減少具合を比較したうえで、さらなる対策が必要と判断したのが、このたびの取り締まり強化にもつながっていると想像される。

 言うまでもなく公道は公共空間であり、どのような乗り物に乗るときであれ(また徒歩の際も当然ながら)守るべきルールを熟知しておくべきということは、あらためて認識したい。

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