スラムダンク映画で再注目! 江ノ電「鎌倉高校前」に見る聖地巡礼と自治体の蜜月、二匹目のドジョウで聖地乱立か
オープニングに登場

『週刊少年ジャンプ』で高い人気を誇った『スラムダンク』の劇場版新作「THE FIRST SLAM DUNK」が12月3日から公開され、早くも話題を呼んでいる。
観客動員数もさることながら、スラムダンクの人気は劇場外にも波及している。それを端的に表しているのが、神奈川県鎌倉市と藤沢市を結ぶ江ノ島電鉄(江ノ電)の鎌倉高校前駅の光景だ。鎌倉高校前は、アニメ版のオープニングに登場した踏切があることでも知られる。
スラムダンクはコロナ禍前にも多くファンが訪れていた。踏切を訪問する聖地巡礼者は日本人のみならず、中国・韓国人観光客も目立った。それは、スラムダンクが中国や韓国でも人気作になっているからだ。また、時には西洋人と思わしき観光客もカメラを構えていて、それだけにスラムダンクが世界的なヒット作であることを感じさせた。
江ノ電の沿線には、鎌倉大仏でおなじみの高徳院、2022年のNHK大河ドラマの舞台にもなり大河ドラマ館も開設された鶴岡八幡宮、水族館やアイランドスパといったレジャースポットが並ぶ江の島、四季折々の花が楽しめる長谷寺、海水浴客やサーファーなどが足を運ぶ白砂青松の由比ヶ浜・材木座、鵠沼といった海岸など、名所・旧跡・レジャースポットが多々ある。そうした従来のスポットを訪れる観光客来街者に混じって、「スラムダンク」の聖地巡礼者が加わった。
鎌倉高校前駅の一帯は住宅街といった雰囲気で、特に来街者に向けた飲食店・土産物店などは目立つほどではない。そのため、鎌倉高校前に観光客が殺到しても経済的な効果は大きくない。
とはいえ、江ノ電の起点でもある鎌倉駅は駅周辺に飲食店・土産物店などがたくさんある。聖地巡礼で鎌倉高校前を訪問した来街車たちが行き帰りに立ち寄れば、経済効果は小さくない。なによりも、江ノ電に乗って同地を訪れる人が増加したことにより、沿線全体に活気があふれる。