アフリカ「高速鉄道ネットワーク計画」はなぜ進まないのか? 背景には利権にすがる外国企業の群れ、17年開業・ケニア鉄道の資金は9割中国融資だった
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エジプトはシーメンスが受注

エジプト政府は2022年5月、ドイツのSiemensと鉄道インフラの建設の契約を行っている。プロジェクト総額は81億ユーロ(約1.1兆円)であり、約2000kmにおよぶ鉄道網建設に加え、運行管理や信号制御システム、車両製造、工場や貨物ヤードの建設、15年間の保守契約が含まれているそうだ。
なお、この契約のうち、第1期分の江海にあるアイン・スクナと地中海のアレクサンドリアとマルサ・マトルーフを結ぶ路線は2021年に契約済みであり、「鉄路のスエズ運河」とも呼ばれている。
この新たな鉄道網は、時速230kmでエジプト国内の60都市を結び、年間3000万人以上がこの鉄道網の利用者になると試算されている。また、既存のバスや自動車と比較して、二酸化炭素の排出量が70%削減されるとの試算もある。このほか、約2万人分の雇用を生み出す効果もあると期待されている。
とはいえ、ドイツのメディアによると、総事業費81億ユーロ全ての資金計画は明らかになっていないという。もしかすると、ドイツ政府が肩代わりするのではないかという臆測もある。いずれにしても、他のアフリカ諸国の鉄道計画と同様に、資金調達次第というアキレス腱(けん)を抱えていることにはちがいない。
潜在的なポテンシャルを引き出せるか

8月下旬に開催された第8回アフリカ開発会議(TICAD8)において、日本は今後3年間で官民合わせて約4兆円規模の資金を投入しアフリカ支援を行うと表明した。また、この会議において、
「公正で透明な開発金融の確保」
「不公正・不透明な開発金融により、アフリカの開発が妨げられてはならない」
と認識をひとつにしている。
現状を踏まえると、TICADで一致した認識はまさに正論である。この正論を実現させるには、つまり、アフリカ大陸として持続的かつ健全な成長を遂げるには、いわゆる「債務のわな」や、債務を押し付けて自国の企業をもうけさせて終了となるようなインフラ投資、あるいは自国優先の開発に終始するのではなく、強力なAUのイニシアチブが必要なのかもしれない。
潜在的なポテンシャルを有するアフリカ大陸であるが、そのポテンシャルの開花にはいまだほど遠いようである。