長距離ドライバー不足で、地方の名産品が食べられない? 今こそ考えるべき危機解決の「五つの処方箋」とは

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「物流クライシス」が叫ばれ続ける昨今、真の解決策とは何だろうか。今回は五つの処方箋を提示する。

トラックのムダな確保をどう減らすか

物流クライシスを解消するための五つの処方箋(画像:小野塚征志)
物流クライシスを解消するための五つの処方箋(画像:小野塚征志)

 長距離トラックの賃金を引き上げることで、ドライバー不足を解消すべしとの意見もある。運送業界のことだけを考えるのであれば妥当な方法かもしれないが、賃金で人を集めるということは、他産業から人を奪うことにほかならない。ドライバー不足を解消したことで他産業が立ち行かなくなるとすれば、日本経済全体の持続的な成長に寄与するだろうか。

 もっとも、ドライバーの賃金が増えれば、人手を必要とする他産業の賃金水準も上昇するはずだ。つまるところ、ドライバーの待遇を改善する上で賃金水準を高めることは大事だが、「人数を増やす」ことにはつながらないのである。

●C.運転時間を増やす
 トラックが配送先に着いたとして、混み合っていれば待たされることになる。時間指定のある場合、遅れないようにするために少し早めに出発せざるを得ない。国土交通省の調査によれば、24%のトラックでムダな待機が発生しており、その1運行あたりの平均待機時間は1時間半を超える。デジタル技術の進歩と活用の拡大により配送先の混雑状況や到着時間を正確に予測できるようになれば、このムダな待機を解消できる。

 朝一での納品が商慣習になっている業界では、午後になるとトラックが空く。月末・月初や特定の曜日に輸送量が増える業界は、ピーク時に合わせてトラックを確保するため、その日以外の稼働が緩くなる。商習慣を改めたり、ダイナミックプライシング(変動料金)を導入したりすることで輸送量を平準化できれば、このトラックのムダな確保がなくなるはずだ。

 かくして、トラックの稼働率は向上し、ひとりのドライバーの「運転時間を増やす」ことができる。その分だけトラックの必要台数を減らせるというわけだ。

●D.時間あたりの運べる量を増やす
 前日に注文を受けた商品を翌日納品する企業は、急に受注が増える可能性を考慮してトラックを多めに確保する。多品種少量生産が進んだことで、1回あたりの出荷量が減った企業も少なくない。結果としてトラックの積載率は低下する。

 国土交通省の調査によると、営業用トラックの平均積載率は40%を下回る。A地点からB地点への輸送と比べてB地点からA地点への輸送量は格段に少なく、帰路の積載率を高めようがないルートもあるため、平均積載率を100%にすることはできないが、受注から納品までの期間を延長してもらったり、他社と共同で配送したりして、平均積載率を50%に高められれば、計算上、トラックの必要台数を20%削減できる。

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