国際線の運賃、「燃油込み = お得」は大間違い? 巧みなエアライン戦略を巧みに見抜け

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国際線において、燃油込みの運賃だと良心的に見えるが、実は別運賃のほうが安いケースも少なくない。

日本人の心情に沿ったマーケティングか

羽田空港(画像:写真AC)
羽田空港(画像:写真AC)

 日本国内線で燃油サーチャージを徴収しない航空会社が多いのは、国際線と比べ、

「飛行距離が短い = 燃油消費量も少ない」

という事情ももちろんある。

 しかし、結局のところ、何事においても

「別料金を加えると印象が悪くなる」

という、日本人が抱きやすい心情に配慮したマーケティング面における戦略と思えなくもない。

 さらにpeachの場合、1回たった5000円で行き先は選べないものの、航空券に使えるポイント6000円分が手に入る「旅くじ」も人気を博している。ただ、往復で6000円分だとどの行き先も金額内に収めるのは難しく、各種手数料などその超過分は自己負担だ。割安感を出しつつ、ブームの「ガチャ」という話題性も加えたpeachの戦略は上手いと言わざるを得ない。

 航空券の購入客は慣れてくると、競合路線では運賃を他社と比較するようになる。そして、燃油込みの航空券にしろ、決して安いわけではないということにいずれ気づくだろう。航空会社にはその次、さらに次を見据えた販売戦略が求められる。

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