国際線の運賃、「燃油込み = お得」は大間違い? 巧みなエアライン戦略を巧みに見抜け

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国際線において、燃油込みの運賃だと良心的に見えるが、実は別運賃のほうが安いケースも少なくない。

定着した航空券の燃油サーチャージ加算

東京国際空港(羽田空港)の国際線ターミナル(画像:シカマアキ)
東京国際空港(羽田空港)の国際線ターミナル(画像:シカマアキ)

 航空券の運賃に加算される「燃油サーチャージ」が一般的になって久しい。国際線で、運賃が数千円なのに燃油サーチャージがさらに加算されると、一気に割高感を抱く人も多いのではないだろうか。

 燃油サーチャージの金額は時期による。値上げと値下げのタイミングなどは、航空会社ごとに同じだ。しかし、「燃油込み」で航空券を販売する会社も少なからずある。日本の消費税が税別、税込みで表示されているのとなんとなく似ている。

 この燃油込みの運賃だと、なんとなく良心的だと思えるかもしれない。しかし実は、燃油別の運賃のほうが安いケースも少なくないのだ。

いまや欧米往復11万円超

工業地帯のイメージ(画像:写真AC)
工業地帯のイメージ(画像:写真AC)

 燃油サーチャージの正式名称は、燃油特別付加運賃という。もともと海運業界から始まり、航空業界では2000(平成12)年ごろから導入され始めた。航空機の燃料となる原油価格に合わせ、運賃と別に徴収する料金のことを指す。

 原油価格は変動する。航空業界の場合、ケロシン市価が指標だ。その指標は、日本を含むアジア地域ではシンガポールの市場価格が利用されている。燃油サーチャージは2か月単位で改定され、航空券の発売月の直近2か月間の平均原油価格に為替の平均額をかけて金額が算出される。その金額が6000円を下回った場合、燃油サーチャージの適用はない。

 名称に「特別」と付いているのは当時、臨時的な措置として導入されたのが理由だ。しかし現在、燃油サーチャージが加算されないケースはほぼ皆無。特に国際線では「加算されて当たり前」と、半ば常態化している。

 ウクライナ情勢や円安などの影響で、国際線の燃油サーチャージが2022年10~11月の発券分で適用価格の最高値を更新した。欧米往復の場合、JALで11万円超、ANAもほぼ同額だった。運賃にこの燃油サーチャージ、さらに空港使用料などが加算されるため、欧米往復のエコノミークラスでも30万円超えも珍しくなくなった。

 燃油サーチャージが高いと航空券が割高となり、日本から海外旅行へ行こうという需要が確実に減る。その影響力は決して小さくない。