東急の運転士が「非常用ドアコック」悪用で逮捕 なぜ類似トラブルは繰り返されるのか
鉄道の非常用ドアコックを悪用するトラブルが絶えない。解決方法はあるのか。
国交省がガイドライン化
この事件を受けて、国土交通省は2021年12月、鉄道会社に対して新規に導入する車両に防犯カメラの設置を義務づけるとともに、非常通報装置やドアコックなどの操作方法について、ピクトグラム表示を共通化する方針を示している。
京王線の事件では結果的に脱出が困難になったことから、これらの導入と並行して、ドアコックの是非や使用方法に関する議論も盛り上がった。しかし、現時点では脱出時や、脱出後にさらなる事故を生む懸念はあるものの、必要な設備であることは一致している。
そこで国土交通省が2022年6月、「車内用非常用設備等の表示に関するガイドライン」を発表し、各鉄道会社はこれに基づいた表示を実施している。このガイドラインに基づく表示では、日英2か国語で、使用方法と危険性が記されている。
いざというとき、ドアコックは当然使われるべきものだが、それでみだりに車外から出るのは危険である。また、車両から地面までの高さにも注意が必要だ。改めて、ドアコックの適切な使い方が周知されなければならない。
最後に繰り返したい。
「個人的理由でドアコックを操作する = 犯罪」
である。皆さん、お忘れないように。