バス運転士の「重大事故」防げるか? 疲労ストレス測定器による実証実験とは

キーワード :
, , , , ,
LIFE-BEINGは、疲労ストレス測定計を用いて疲労度合い・ストレス状態を計測する実証実験を行っている。

脳疲労度とストレス度を測定

LIFE-BEINGの実証実験第1弾に協力する立川バス(画像:LIFE-BEING)
LIFE-BEINGの実証実験第1弾に協力する立川バス(画像:LIFE-BEING)

 LIFE-BEING(東京都立川市)は、法人向け健康施策サービスとして展開する「疲労ストレス測定計 VM600」を用いて、地域企業の協力により社員の疲労度合い・ストレス状態を計測する実証実験を行っている。

 第1弾として2022年11月14日(日)から約2週間、立川バスの福生営業所に勤務する運転士を対象に実施。

 バス乗務の運行前と運行後に、脳疲労度(自律神経機能活動)・ストレス度(自律神経機能バランス)の状態を測ることで健康チェックを行っている。

 VM600は、両手の親指をセンサーの電極に軽く添えることで計測できる。

 心電波と脈波の変動データーの解析・評価をインターネット経由で行い、スマホまたはタブレットに入れたアプリに現在の「疲労度合いとストレス」の測定結果を表示。バイタルデータによる自律神経数値化とビックデータの分析により、自律神経のバランスと偏差値を表す。

 疲労・ストレスにおける疾患を発症する前に、ケア・医療が必要な対象者を適切に抽出し、迅速な対応を促すことが可能としている。

開発の背景は

 2016年の軽井沢スキーツアーバスの転落事故を受け、国土交通省は事業用自動車総合安全プランを策定、安全確保・再発防止策を講じてきた。

 しかし2022年8月にも名古屋市の高速道路でバス横転・炎上事故が発生するなど、バス運行中の運転者の疾病が原因と考えられる重大事故は後を絶たない。

 自動車運送事業者に対し、健康状態に起因する事故防止を図るため、国交省も運転者の健康管理の取組の促進を拡充している。

全てのコメントを見る