お台場に熱狂を生み出した「ゆりかもめ」「りんかい線」 功績の裏にあった政治的翻弄、パレットタウン観覧車消滅で振り返る

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ゆりかもめとりんかい線ほどお台場の隆盛に寄与した存在はないだろう。その歴史をひも解く。

2000年代後半に発生した帰属問題

13号地と10号地の遊歩道には、たくさんのチューリップが植栽されている(画像:小川裕夫)
13号地と10号地の遊歩道には、たくさんのチューリップが植栽されている(画像:小川裕夫)

 そして2000年代後半になると、13号地の南側に造成されていた中央防波堤と呼ばれる埋め立て地の帰属問題が発生する。

 お台場が発展を遂げる以前、13号地は荒涼とした土地でインフラも未整備だったことから、各自治体は自区への帰属を避けていた。いわば、13号地はお荷物的に見られていたのだ。しかし、お台場が宝の山へと変わったこともあり、埋め立て地への認識は一変。これまで押し付け合っていた各自治体が、手のひらを返して中央防波堤の帰属を主張するようになった。

 中央防波堤は13号地を分割した江東区・品川区・港区の3区のほか、晴海埠頭(ふとう)などを擁する中央区、城南島からトンネルで接続する大田区も帰属を主張。長い話し合いの末、帰属は大田区と江東区の2区に絞られたが、どちらの2区も主張を譲らなかった。2020年に東京五輪の開催が決定し、中央防波堤にも五輪会場が計画されると、帰属を巡る争いが再燃。数度の協議でも話はまとまらず、決着は東京都紛争処理委員に委ねられる。

 しかし、東京都紛争処理委員が出した結論でも問題は決着せず、両区の主張は司法の場へと舞台を移す。2019年9月、東京地裁は大田区20.7%、江東区79.3%という案を提示。東京五輪2020の開催が目前に迫っていることから、大田区・江東区の両区は紛争を長引かせることはマイナスと判断し、この案を受け入れる。こうして中央防波堤の領土争いは終結する。

 東京五輪2020は周知の通り、新型コロナウイルスが全世界的に感染拡大していたことから開催を1年延期している。また、真夏の開催という点が考慮されてマラソン・競歩は開催地を札幌へと変更した。東京五輪は開催直前にも騒動が続発したほか、開催終了から1年が経過した現在にいたっても汚職事件が明るみに出るなど、別の意味で世間をにぎわせている。

 そうした政治トピックスに影響を受けて右往左往しながらも、臨海副都心エリアは近年のタワマンブームを追い風に、居住人口・就業人口ともに増加を続ける。2020年における臨海副都心エリアの居住人口は1万8000人を突破。コロナ禍でテレワークが進められたこともあって就業人口は2020年に一時的に減少したが、それでも5万5000人を超えている。

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