西九州新幹線の「博多延伸」 やっぱりフリーゲージトレインだと全然ダメなわけ

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フリーゲージトレイン導入のメリット・デメリットは何か。西九州新幹線の博多延伸を通して考える。

フリーゲージトレインの利点と欠点

E3系(画像:堀内重人)
E3系(画像:堀内重人)

 フリーゲージトレイン導入の利点は、所要時間ではフル規格新幹線に対して格段に劣るものの、新規路線の建設用地を確保する必要がないため、建設コストや建設期間を大幅に抑えられることだ。

 また、ミニ新幹線のように

・改軌による在来線の運休
・開業後のネットワーク寸断

も生じない。それゆえ、実用化に至れば新在直通と同じ効用が得られる。結果的にコストは、フリーゲージトレインの方が格段に安くなる。そうなるとミニ新幹線を導入する利点がなく、今後はミニ新幹線が導入される可能性は、非常に低いといえる。

 だが、フリーゲージトレインの将来が「バラ色」かといえば、そうでもない。開発から20年以上が経過しているものの、実用化のめどは立っておらず、開発費もかさんでいる。また、新幹線から伯備線や瀬戸大橋線などの直流区間へ直通するとなれば、直流区間では大量の電流が流れるため、それにも対応したパンタグラフの開発も課題だ。

 これまでの試験車両の走行試験の結果では、新幹線区間での目標を達成しているとはいわれているが、車体が在来線規格の大きさであるにも関わらず、在来線用の特急電車と比較して重いこともあり、

「270km/hが限度ではないか」

といわれている。そうなると、山陽新幹線への乗り入れはJR西日本が難色を示すことになる。

 在来線の曲線区間では、既存の特急電車と比較して曲線通過速度が、最大40km/hも低かったと聞く。その後、開発された新形の台車も振動が大きく、速度の向上に問題があった。結果として、台車の改良は断念された。

 西九州新幹線の武雄温泉~長崎間は、武雄温泉~新鳥栖間でフリーゲージトレインの導入を前提としてフル規格新幹線として工事が進められ、専用の試作車も完成していた。だが、開業予定である2022年9月までに実用化できるめどが立たず、JR九州は導入を断念した。

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