ダイムラーや三菱ふそう、地球温暖化への戦略は? 物流に革命を起こすゼロエミッションへの道のり
世界の進化はITやデジタルの分野だけに着目すれば良いというわけではない。経済の血脈と言って過言ではない物流や輸送の分野が滞りなく機能することは、我々にとってとても重要なことだ。そこには「環境」というキーワードを忘れてはならない。今この分野に革命が起ころうとしている。
EV・水素の次世代車両を加速

ドイツに本社を置くダイムラー。
メルセデス・ベンツブランドを有する世界最大級の自動車メーカーのトラック部門、そしてバス部門は、2023以降からいよいよ大型EV車両のグローバル展開を順次スタートさせる。ドイツで2022年9月20日(火)に開幕した「IAA Transportation 2022」で発表した。
これまでダイムラー・トラックグループは、同グループの三菱ふそうが2017年に販売開始した「eCanter」以来、2039年までに欧州・日本・北米の主要3市場で全ての新型車両をゼロエミッション化(CO2ニュートラル輸送)させることを掲げると同時に、EV・水素の両面から次世代の輸送車両開発を加速させてきた。
オープニングカンファレンスで、ダイムラー・トラック社のマーティン・ダウム代表は、
「この4年間、我々は次世代エネルギー車両の開発について、目まぐるしいスピードと多量な情報を精査しながら目標に向かって挑んできた。そしてユーザーに利用いただくには、迅速な環境整備が急務。これらには業界全体の意識改革と政府の協力が必要不可欠で、我々はこれまで以上に積極的に活動して行く」
と述べた。
現在、ダイムラーは大型EVトラック「eActros」や、初の大型EVバスを含む8台もの大型EV輸送車両を2023年以降の量産に向けて順次開発中である。ではなぜ、これほどまでに開発が急加速したのだろうか?