電動キックボードは結局「ちょい乗り」用に過ぎないのか? 道交法改正で小型モビリティー活況も、市場に漂う根本的疑問

キーワード :
, ,
2022年4月の道路交通法改正以降、電動モビリティー普及の動きが活発化している。ただ懸念点は山積している。

電動キックボードの限界とこれから

電動キックボード(画像:写真AC)
電動キックボード(画像:写真AC)

 電動キックボードは車体の構造ゆえ、バッテリーや駆動部分の大きさに限界がある。一度充電しても走行距離は30kmが限界である。そして傾斜にも弱い。つまり、利用用途はあくまで

「ちょい乗り」

程度なのだ。

 坂道が少なく、道路の整備も進んでいる地域など、日本でどれだけあるだろうか。また、今後の電動モビリティー利用者として想定される高齢者には、電動キックボードはまず乗りこなせないだろう。

 先日、筆者(小西マリア、フリーライター)がある開発者に尋ねたところ、

「想定ユーザー層は20~30代」

と明言された。ならば、利用地域も利用者層も限られていることになり、普及への懸念が募る。

 では、歩道走行が可能な時速6km以下の電動モビリティーは普及するだろうか。残念ながら、こちらも難がある。このタイプの製品は高齢者をユーザー層として開発が進んできたが、そこで得られた最も大きな知見は

「車いすタイプは敬遠される」

ということだ。

 小型電動モビリティーは、高齢者のラストワンマイル(客に物・サービスが到達する物流の最後の接点)の移動手段の本命と見られているが、重要なのは立って移動できることである。既に高齢者の利用を念頭に、3~4輪タイプの電動キックボード型製品の開発は進んでいるが、歩道に登場したときにスムーズに通行できるだろうか。

 現在は電動モビリティーの黎明期ゆえ、事故が発生するたびに問題点を検証してアップデートしているのが現状だ。安易な規制強化に向かわず、そこを乗り越えたところに普及のカギがある。

全てのコメントを見る