鉄道の相互乗り入れに欠かせない「共通規格」 各国で大きく相違、ヨーロッパは一体どんな対応をしているのか?
各社で異なる鉄道の規格。相互乗り入れ運行を行う場合などには、その共通化が必要となる。各国で規格が異なるヨーロッパでは、どのような対応がなされているのだろう。
欧州 ふたつの標準信号システム
とはいえ、1950年代の時点ですでに電化方式については技術的に対応可能だったが、最大のネックは信号システムであった。
信号システムは、国の数だけ種類があることになり、それを全て搭載することは事実上不可能であったため、信号システムの共通化は必須であった。
ERTMS(European Rail Traffic Management System)およびETCS(European Train Control System)は、その問題を解決するために開発されたヨーロッパの標準信号システムだ。
ERTMSは、各国鉄道システムの相互運用性を保証し、信号システムの購入および保守コストを削減するだけでなく、列車の速度やインフラの容量を増加させ、鉄道輸送の安全レベルを向上させる役割を果たす。
自動列車防護を組み込んだ運転台信号システムであるETCSは、鉄道用グローバル移動通信システム(デジタル無線/GSM-R)および運用規則から構成されており、GSM-Rは列車の運転士と信号オペレーターとの間の音声通信と、ETCSのためのデータ通信に使用されている。
実際の信号制御を行うETCSには、三つのレベルが存在する。
Level1は、車載装置が連続的に速度を監視し、減速や停止などの指示を出すが、信号の受信は地上に設置された地上子(ユーロバリス)からによるもので、その上を車両が通過した際に信号を拾う。