今こそ「夜行列車」の復活を! 高速バスも車中泊も安眠には程遠い、「快適旅」という原点に立ち戻れ

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車中泊も高速バスに押されて、いまや存在感が弱まっている夜行列車。今回はその独自の魅力と有用性について解説する。

夜行列車が運行されなくなった理由

サンライズ瀬戸(画像:写真AC)
サンライズ瀬戸(画像:写真AC)

 旅行需要の回復が見込まれる今後、筆者(昼間たかし、ルポライター)は、移動時間を有効に活用できる「夜行列車」こそ復活すべき――と考える。

 現時点で、定期運行をしている国内の夜行列車は東京~高松・出雲市間を走る「サンライズ瀬戸・出雲」のみだ。2013年に運行を開始した「ななつ星 in 九州」以降、パッケージツアー専用の豪華寝台列車としては運行本数が増えているものの、移動手段としては

「絶滅危惧種」

である。

 繁忙期に臨時列車として運行されていた夜行列車(座席車を主とするもの)も運行されることは少なくなった。座席車主体の夜行列車は、定期列車が2016年に「はまなす」が廃止されたことで消滅した。「大垣夜行」以来、長く親しまれてきた「ムーンライトながら」は季節列車として最後まで残っていたものの2021年1月に廃止が発表され、終焉(しゅうえん)を迎えた。

 夜行列車が運行されなくなったのは、

・車両の老朽化
・新幹線開業で並行在来線に移管されて煩雑化した業務
・JR各社の思惑の相違

などの理由だ。

 そもそも、定期運行時にも利用者は決して多くなかった。筆者もムーンライトながらに何度も乗ったが、閑散としていることが多かった。ただ、この考えは、すでに過去のものだろう。なぜなら、旅行の交通費・宿泊費をできる限り圧縮したいという需要が増えているからだ。