鉄道の相互乗り入れに欠かせない「共通規格」 各国で大きく相違、ヨーロッパは一体どんな対応をしているのか?

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各社で異なる鉄道の規格。相互乗り入れ運行を行う場合などには、その共通化が必要となる。各国で規格が異なるヨーロッパでは、どのような対応がなされているのだろう。

乗り入れに必要な「規格」調整

現在、欧州各国で幅広く活躍するシーメンスの汎用型機関車ヴェクトロン(画像:橋爪智之)
現在、欧州各国で幅広く活躍するシーメンスの汎用型機関車ヴェクトロン(画像:橋爪智之)

 鉄道の規格というものは、会社によっていろいろと存在する。

 主なもので言えば、線路幅と電化方式で、自社線内を走行するだけであれば、別に特殊な方式を採用しても、メーカーで車両を製造するときに少々手間が掛かるという点を除けば、大きな問題とはならない。

 だが、他社に乗り入れるとなると話は別で、相手側の規格に合わせるために改修工事をしなければならないケースも出てくる。

 なかには地下鉄を介して都心へ乗り入れるため、自社線の線路を全線改軌した京成電鉄のような例もあった。

 ヨーロッパの多くの国は、標準軌(1435mm)を採用しているため、車両そのものの乗り入れについては、特に問題はなかった。

 一方で電化方式は、交流と直流でそれぞれ2種類ずつ計4種類が存在し、技術的に未熟だった20世紀初頭は、これが足かせとなって他国への乗り入れに電車や電気機関車を採用することはできなかった。

 しかし1950年代以降になると、変圧器などの性能が向上し、ヨーロッパ各国で複数の電化方式に対応できる万能車両の開発が進められ、実際多くの複電圧機関車が製造された。

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