鉄道の電化方式 陸続きのヨーロッパにたった「4種類」しかないワケ

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日本では、在来線の直流1.5kVと交流の20kV、新幹線の交流25kVがある電化方式。陸続きのヨーロッパはどのような運用となっているのか。

日本は在来線と新幹線で計三つ

スイス最大の狭軌私鉄レーティッシュ鉄道。多くの路線は交流電化されているが、ベルニナ線は直流となっており、交直流車両が活躍する(画像:橋爪智之)
スイス最大の狭軌私鉄レーティッシュ鉄道。多くの路線は交流電化されているが、ベルニナ線は直流となっており、交直流車両が活躍する(画像:橋爪智之)

 日本では、大きく分けて在来線の直流1.5kVと交流の20kV、それに新幹線の交流25kVとなっている。

 交流電化については、周波数が東西で異なるため、それぞれ50/60Hzへ細分されるが、基本的には三つの電圧に分けられる。

 同じ電圧の路線で使う分には問題ないが、電圧の境界線を越えて運行される場合、それぞれの電圧に対応した交直流車両が必要になる。

 いくつもの国があるヨーロッパの鉄道では、電化方式はどのようになっているのか。

 日本というひとつの国ですら複数の電化方式があるのだから、さぞや多くの種類があるのではないかと想像してしまうが、実際は特殊な方式を除いて大別すると4種類しかない。

 直流は1.5kVおよび3kV、交流は15kV 16 2/3Hzと25kV 50Hzだ。

 地域的に同じ電化方式が固まっているのかと思うが、これが意外とバラバラで、隣り合う同じゲルマン系のドイツ、スイス、オーストリアが交流15kV 16 2/3Hzを採用している以外は、各国でかなりバラバラに採用されている。

 例えば日本でもおなじみの直流1.5kVは、フランス、オランダで採用されているが、両国は国境を接してない。

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