鉄道の電化方式 陸続きのヨーロッパにたった「4種類」しかないワケ
日本では、在来線の直流1.5kVと交流の20kV、新幹線の交流25kVがある電化方式。陸続きのヨーロッパはどのような運用となっているのか。
中古車が他国へ売られることも
直流3kVはイタリア、ベルギー、ポーランド、チェコ、スロヴァキアなどで採用されており、同じ国だったチェコとスロヴァキア、隣国ポーランドまでは良しとして、ベルギーもイタリアは全く関係ない。
これらの国は、同じ電化方式であることから車両の融通が利く点が特徴で、中古車が他国へ売られることも多々ある。またイタリアの隣国スロヴェニアも直流3kVだが、その縁もあってイタリアから多くの機関車や電車を輸入している。
国によっては、日本と同様に異なる電化方式で電化された区間が存在し、交直流機関車が活躍する国もある。
フランスやチェコ、スロヴァキアでは、多くの交直流機関車が活躍をしているが、ふたつの方式を混在させることは、余計なコストが掛かるうえ、それぞれのシステムに対応したメンテナンスをする必要があるなど手間も掛かる。
そのため、チェコでは段階的に交流電化へシフトさせ、将来的には全区間を変換させる計画である。
また近年は、日本の新幹線と同じ交流25kV 50Hzを採用する国が増えてきている。
理由は高速鉄道の台頭だ。
最高速度200km以上の高速列車を運行する際、直流電化は決してベストな選択とは言えず、既存の在来線が直流の場合でも、高速新線区間だけは交流電化として、高速列車は交直流車両として製造されているケースが多い。