カブ、ユンボ、セスナ……実は商品名なのに「一般名詞化」 いったいなぜ?
優れた商品・製品は、固有名詞を超えて一般名詞化するという例がしばしば見られる。モビリティ業界における例とそれぞれのルーツを紹介しよう。
もともとは固有名詞だったものが
古来、優れた商品は単なる商品名を超えて一人歩きする例は世界的に珍しいことではない。
わが国の場合だと、つい先頃まで小型の単発飛行機のことを「セスナ機」と呼ぶ例は一般人の間だけに止まらずニュースや新聞記事などでも見ることができた。
ここで言うところのセスナ機とは、別に小型機を指す一般名詞の類いではなく、アメリカで製造されていた小型飛行機の商品名であり、紛れもない固有名詞であった。
セスナとは、この機体を製造していた企業名と「クライド・セスナ」というその創業者名に由来していたこととなると、わが国ではほとんど顧みられることはなかったのである。
同様の例では本田技研工業(ホンダ)が製造し大ヒット作となった原付バイクに「ホンダ・スーパーカブ」があった。後発商品として他社からも類似したバイクが発売された後、それらは全て多くの場合で「カブ」という通称とともに呼ばれていたことも記憶に新しい。
また、油圧で作動させるパワーショベルを指す一般名詞は、世界的には「エクスカベータ」と言うのがメジャーなのだが、わが日本では「ユンボ」と呼ぶ例が少なくない。