国交省発表 「国土のグランドデザイン2050」に見る交通網のハイテク化、10~20年後の自動車・運輸・物流業界は一体どう進化するのか?

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日本初の高速道路が全線開通してから半世紀以上。進化する自動車の性能・機能に対して、高速道路はどうあるべきか。NEXCO東日本がまとめた「構想」からその姿を探る。

高いハードル、実現可能性は

日本の高速道路のイメージ(画像:写真AC)
日本の高速道路のイメージ(画像:写真AC)

 2030年および2040年、つまり現在から約10年後、20年後の構想としている本件を簡単にまとめる。

 まず、約10年後となる2030年には、東京―名古屋間のリニアが開通し、5Gの10倍の転送容量・密度の6Gの市場化が、社会・政策・技術動向としている。

 自動車では、高速道路上での完全自動運転システム実用化、走行中給電の実用化が挙げられている。また、コネクテッドカーの新車割合が7割といった条件も記されている。

 人の流れ(運輸)では、MaaSの市場が約6兆円、カーシェアリング市場も260億円規模となり、利用者は現在のおよそ10倍という想定だ。

 物流でも、後続車無人隊列システムの実用化、高速道路での完全自動運転システムの実用化が挙げられ、宅配便の数も2018年比で約2倍という予想を立てている。

 そして2040年には、東京―大阪間のリニアが開通。AI技術の進展が挙げられている。

 自動車では、高速道路上の完全自動運転システムのさらなる市場展開、乗用車レベル3以上の自動運転車の普及率が30%以上、新車コネクテッドカーの割合は9割といった条件が記される。

 運輸では、MaaS、カーシェア、ライドシェアの拡大、空飛ぶクルマの実用化が記されている。また物流には、ドローン・空飛ぶ車によるサービスが実用化・拡大とある。

 時々刻々変化していく世の中で、20年後の未来をしっかり描くことは難しいと察する内容だ。そのため現在の段階では想像しがたく、はるか先の未来とも思える構想となっている。

 想定通りに技術開発や実装が進んでいくのか、長い目で見守りたい。