専業ドライバーに迫る危機! 軽乗用車「運送業解禁」で、子育て主婦がライバルになる時代到来か

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軽乗用車を利用して軽貨物運送ができるようになる規制緩和案が、国土交通省から公表された。業界は今後、どのように変わっていくのか。

ギグワークの選択肢が広がる

貨物軽自動車運送事業における軽乗用車の使用について(概要)(画像:国土交通省)
貨物軽自動車運送事業における軽乗用車の使用について(概要)(画像:国土交通省)

 今回の規制緩和によって、最大のハードルが取り払われることになるため、軽貨物運送に参入するドライバーの増加が予想できる。なお、ドライバーが新たに起業して軽貨物運送を始める場合に、荷室(ラゲッジスペース)の狭い軽乗用車を購入するのは考えにくい。

 また、パブリックコメントによると、積載できる貨物重量は4人乗りの軽乗用車で

「165kg」

になる予定だ。20kgの段ボール箱だと8個しか積めないことになるが、この量の少なさからしても、本格的な起業として乗用車を利用するのは現実的でないと言えるだろう。よって基本的には、すでに所有している軽乗用車を流用して、副業的に参入するケースが想定されることになる。

 ウーバーイーツのようなインターネットを介した非正規、または業務委託での労働を「ギグワーク」と呼ぶが、軽乗用車による運送も、ギグワーク的な労働が想定されている、と言えるだろう。

 ギグワークは、専業主婦の空き時間や、アフターファイブといった「スキマ時間」を利用して現金収入を得る、といった新たなニーズに対応した働き方と言える。従って、ギグワーカーからすると、軽乗用車による貨物運送は、

「新たな働き方の選択肢を広げる動き」

だと見ることもできるだろう。

プラットフォーマーにもメリット

宅配ドライバーのイメージ(画像:写真AC)
宅配ドライバーのイメージ(画像:写真AC)

 労働者の側と同じく(あるいはそれ以上に)、大きなメリットを受けそうなのが、いわゆるプラットフォーマーだ。

 物流のプラットホームビジネスで先行するアマゾン、ウーバーなどは、ドライバーの「なり手」が増えることでビジネスが拡大すると予想される。

 また、軽貨物運送のプラットホームビジネスを手がける国内の物流各社にとっても歓迎すべき動きとなる。かつて軽貨物運送と言えば赤帽のような協同組合形態が主流だったが、近年では、PickGOのようなスタートアップ企業がビジネスのシェアを拡大している。

 赤帽は基本的に専用の車両を購入した、本業のドライバーを組織化する形態だが、スタートアップ各社のビジネスは、ウェブを使ったマッチングシステムを利用したビジネスモデルであり、ギグワーカーとの相性が良い。そのため、軽乗用車を保有する多数の個人ドライバーをマッチングの対象にできれば、ビジネスの幅が大きく広がると予想できる。

 また、

「子どもの送り迎えのついでに荷物を運ぶ」

といった、新しい働き方、ビジネスモデルが生まれる可能性もある。

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