新幹線延伸がもたらす「大変革」 札幌の駅ナカ・駅チカが目指す、新たな玄関口の姿とは
北海道新幹線が2030年度に市内まで延伸される札幌市。変わりつつある北の街の「現在と未来」をリポートする。
建設予定オフィス、実に28万平米

すなわちこの南北の流れにより、東側はいまひとつ伸びがなかった。札幌市はこの地区を「創成川イースト」と名付け、これまでもさまざまな手を打ってきたが、いまひとつ届かなかった。
だが新駅誕生が全てを一蹴した。
東改札口につながる北4条2、3丁目には、ホテルや病院を含む大規模な街づくり計画が進められている。また、北4条東6丁目周辺は新しい商業地域に衣替えされる予定で、新駅の裏手の線路沿いにはホテル、病院などの大規模再開発が具体化している。
現存するサッポロファクトリーの側を南北に走る市道東4丁目道路が整備され、これが新駅東口と結ばれるため、出口近くにサッポロ不動産開発のオスイスビルが、大通東4には北海道自動車工業のオフイスビルが、大通東2丁目にはニトリ美術館が建設される計画という。
オフィス仲介大手会社の調べによると、2022年から2029年まで新幹線延伸に基づく札幌市内の建設予定のオフィスビルは、延べ床面積28万4000平方メートルにのぼり、これまでにない規模になるという。
実に札幌ドーム約5個分の広さに匹敵し、これだけの規模が10年弱で建設されるのは初めてとのこと。直近10年間の2.5倍に当たるという。