新幹線延伸がもたらす「大変革」 札幌の駅ナカ・駅チカが目指す、新たな玄関口の姿とは
北海道新幹線が2030年度に市内まで延伸される札幌市。変わりつつある北の街の「現在と未来」をリポートする。
今後10年で150社の誘致掲げる

こうした動きに札幌市は敏感に反応し、2022年7月に官民による「大札新パートナーズ」なるものを設立した。オフィス供給を企業誘致につなげようというのが狙いだ。
8月22日(月)には早くも東京都内で企業誘致セミナーを開き、オンラインで計10人の企業関係者たちに札幌市の現状と魅力を訴えた。今後10年間にわたって再開発情報を発信し、150社を目標に誘致を進める方針だ。
札幌市職員は、
「反応は十分。札幌市が生まれ変わる機会と捉えて、積極果敢に攻めたい」
と意気込んでいる。
創成川イーストの地価が急上昇し、長年人気を保ってきた円山地区に並ぶ勢いになっという。それを裏付けるのが人口の増加ぶり。20年前と比べて6000人も増えて1万9900人にもなったという。地価も1平方メートル当たり16万円と倍増した。
新幹線延伸ブームに沸き立つ札幌市。だがその陰で失われていく路線に泣く人々もいる。その事実をどう受け止めたらいいのか、しばし考え込んでしまう。