アプリを起動させたら「全ての交通網」がハンズフリー決済に! イタリアで話題の日立製「次世代システム」とは
日立レールは、イタリア・ジェノヴァ市で公共交通機関やカーシェアなどのあらゆる交通網をデジタル接続。この次世代システムの特徴とは。実際に利用した内容をリポートする。
乗るだけ、料金は1日の終わりに自動集計

日立製作所のグループ会社である日立レールは2022年7月、スマートモビリティの統合ソリューション「Lumada Intelligent Mobility Management」を用いて、イタリアのジェノヴァ市で公共交通機関とカーシェアなどの民営交通を含む都市全体の交通網をデジタル接続したと発表した。
これは、ブルートゥースセンサーを使用したモバイルアプリ「360Pass」でバス・電車・ケーブルカーなどを接続、都市内のあらゆる公共交通に乗客が「ハンズフリー」でアクセスすることを可能としたもの。
アプリ利用者の当日の交通機関利用状況に基づいて、1日の終わりに最も安い価格で自動集計されるという仕組みになっている。利用客は、都市を移動中にクレジットカードやチケットを財布から取り出す必要がなく、スマートフォンを操作する必要もない。
イタリア・ジェノバ市における実証試験では、バス(663台)、バス停(2500か所)、地下鉄(年間利用者数約1500万人)、ケーブルカー(2基)、登山鉄道(1路線)、公共エレベーター(10基)、郊外バス(2路線、全長50km)など、市内7000か所にブルートゥースセンサー(ビーコン)を設置。
利用当日にアプリを起動して、そのまま自由に交通機関を利用すれば、その日の終わりにいくら使ったかが自動的に集計される。
なお、ジェノヴァ市の1日乗車券は4.50ユーロだが、1日に何度も交通機関を利用した場合は、1日券へと自動的に切り替わるため、4.50ユーロ以上を請求されることはない。