銚子電鉄の本調子はこれから? 「利益21万」ギリギリ経営、苦闘の歴史を淡々と振り返る

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銚子電鉄の2021年度決算の純利益は21万円で、2015年度以来6年ぶりに黒字を達成した。コロナ禍で乗客が伸び悩むなか、久しぶりの明るい話題となった。

減り続ける人口、次に打つ手は?

2017年に改装される前の本銚子駅旧駅舎(画像:写真AC)
2017年に改装される前の本銚子駅旧駅舎(画像:写真AC)

 路線のすべてが銚子市内を走る銚子電鉄は、銚子市の状況に大きく左右される。銚子市の総人口は2015年には6万6882人だったものが、2021年には5万9109人と大幅に減少している。

 転入転出数では2015年は転入2047人に対して、転出2295人。2020年は転入1477人に対して転出1927人と大きく減少している。つまり、沿線人口の増加は見込むことができない。今後、人口減少はさらに進み、2030年には4万人を割り込むと見られている。全国的に少子化が進行している中で、人口減は避けられない。

 また、銚子市は財政再建団体に陥る可能性があるほど財政が悪化しており、その結果、住民サービスが低下し、住民、特に子育て世帯は周辺の千葉県旭市や茨城県神栖市に移り住むようになった。つまり、銚子電鉄が観光客の利用と物販に頼る構造は、今後も継続されることになる。生活路線としての利用者は重要だが、収益には結びつかないとなれば、より副業での経営安定化を図っていく必要が出てくるだろう。

 ここまで記してきたように、経営は「その年にぬれ煎餅が売れたかどうか」に左右される。やはり赤字や経営危機が報道された年には、売り上げが伸びるのだが、いったんニュースが古びてしまうとまた減少してしまうことのくり返しだ。

 これまでもぬれ煎餅の売り上げに安穏とするのではなく、グッズ販売を展開するなどアイデアで売り上げ回復を図ってきた同社の経営姿勢は見事だ。しかし、人口減によるさらなる危機はこれから。より多くの人が

「一度は乗りたい」
「グッズを買いたい」

と思う戦略を、今後どう立てていくのか。ぬれ煎餅で「支える」だけではなく、「盤石」になるためのアイデアはこれから出てくるかもしれない。この記事を読んだ皆さんは、何か妙案をお持ちだろうか。

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