利益「たった数十円」でも働くフード配達員 ひ孫請けまで広がる搾取構造を疑え

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コロナ禍で一気に注目が集まったフードデリバリー。しかしそこには新たな搾取の構造があった。

搾取される外国人

フードデリバリーのイメージ(画像:写真AC)
フードデリバリーのイメージ(画像:写真AC)

「フードデリバリーでも中抜きが増えましたね」

 個人事業主として、フードデリバリーを専業で請け負う配送員が語る。

 運送業界の中抜き問題はいまに始まった話ではないが、古くは貨物自動車運送事業の中でも大量輸送や大口輸送といった、いわゆる「大金の動く輸送事業」について語られることが多かった。うまみがないと中抜きはしないわけで、中抜きにはそれなりの予算がついていないと額が小さくなる。ゼネコンやマリコン(港湾土木)と同じで、巨大事業のほうが中抜きやそれを目的にした事業者、個人が群がってくる。

 ちなみに「中抜き」とは本来の意味では中間業者を通さない商取引をいったが、近年ではネットスラングも含め、不必要な仲介者が介入することにより、予算や報酬から差し引いたり正当でない手数料を取ったりすることを指すようになった。

「フードデリバリーの案件を、配送マッチングサービスを通して請け負った法人委託会社が個人事業主を募って配達させる、そこに至るまでに小さな中抜きが繰り返される、というわけです」

 フードデリバリーの登録形態には

・個人請負
・法人請負

がある。

 そしてフードデリバリーに限らず、近年の小口輸送には配送マッチングサービスという発荷主と着荷主の間を取り持つアプリ企業が存在する。法人請負で入った委託会社は自社で雇用契約を結んだ社員によって商品を運ぶ。ここまでは理解できるが、元請けである委託会社が個人事業主を使うとは「下請け」ということか。

「その下請けの個人事業主が、若者とか外国人に仕事を振ります。孫請けということですね。外国人は元締めとしてさらに外国人に振るのでひ孫請けになります」

 ただでさえ単価の安いフードデリバリー、ひ孫請けまで行くと1回100円とかになってしまうのではないか。フードデリバリーかいわいでは1回300円の配達を「スリーコイン」略して「スリコ」とやゆするが、それどころか「ワンコイン」だ。

「いえ、ワンコインは普通に個人の配達員でもある話ですから、そうしたひ孫請けだと数十円とかですよ」