利益「たった数十円」でも働くフード配達員 ひ孫請けまで広がる搾取構造を疑え

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コロナ禍で一気に注目が集まったフードデリバリー。しかしそこには新たな搾取の構造があった。

複雑構造の裏にあるもの

雨の中を走るフードデリバリー(画像:写真AC)
雨の中を走るフードデリバリー(画像:写真AC)

 かつてのブラック派遣労働のような偽装請負もまた、労働者の事情につけこみ、理不尽な中抜きと自己責任労働を押し付けてきたが、フードデリバリー業界もまた、各社の思いもよらない方向から配達員の環境が悪化している。もちろん各社委託に関しての管理は徹底しているのだろうが、現実は彼らの知らないところで2次、3次と下請けに配達の仕事が下りている。その手口はさまざまで、別の配達員によれば委託法人の名義で「うまい具合に」回しているという。

「アマゾンの配達員のように声を上げるしかないのでしょうが、フードデリバリーの場合はあくまでマッチングアプリですから、委託法人の問題です」

 この場合、フードデリバリーというマッチングアプリと配送のマッチングサービスを通して飲食店が、法人請負で登録している会社に配達を依頼している、という実に複雑な状態だ。

 さらにその法人か個人事業主に、ことによっては個人事業主が誰かに配達を依頼する。発荷主である飲食店や着荷主である料理の注文客からすれば「誰?」という別人が来る事例も耳にする。もちろんサポートセンターに通報して構わないが、その事例の裏にはこうした問題が起こっている。

「もっと安心に届けたいのですけど、このように複雑で人間の欲とか、事情というのはキリがありません。だからこそ、声を上げるべきだとも思います」

 フードデリバリーではないが、大手通販会社アマゾンの配送システム・アマゾンデリバリープロバイダ(デリプロ)で働く配達員が2022年に入り、ユニオン(労働組合)として声を上げた。

 こちらのケースも同様に、アマゾンから下請けの大手運送会社、孫請けの中小運送会社、そしてひ孫請けの個人事業主という構図だが、実質的な拘束やノルマにより「偽装請負」とユニオンから指摘されている。

 アマゾンフレックス(アマフレ)という元請けの個人事業主として配達する形態もあるが、これも完全実力主義のため安定するかは自分次第、デリプロのほうが大手運送会社も入っているから安心(実際はその下に2次、3次と下請け孫請けが入っている)とこちらを選ぶ配送員もいる。

 しかし、先の「偽装請負」とされる問題はもちろん、中抜きに関しても報酬から手数料やロイヤルティーの名目で各下請け段階から引かれてしまう。システムの違いはあれど、構図はまったく同じだ。

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