利益「たった数十円」でも働くフード配達員 ひ孫請けまで広がる搾取構造を疑え
もしや「偽装請負」ではないか

信じがたい話かもしれないが、それでも運びたがる外国人がいるという。コロナ禍の失業により仕事を失った外国人労働者の話は多いが、かつてはフードデリバリーをじかで請け負っていた彼らの一部は、審査に通る身でないままに日本で数十円の稼ぎをしている。しかしそうした訳ありの外国人ならともかく、日本人なら直接請け負えないということもないと思うのだが。
「フードデリバリーや地域にもよりますが基本、法人委託という会社もあります。また下請け、孫請けの場合は委託会社が時間保証をつける場合が多いのです。時間保証をつけて、案件がなくても待機だけでも時給を払う、ということになります」
確かにフードデリバリーは完全実力次第、ほとんど稼ぎにならない人もいる。それなら中抜きをされても安定して金を得られるなら、と考える人がいても不思議ではない。
「そのかわり例えば、指定エリアで12時間中の11時間はログインしてくれとか、振られた案件に拒否権は2回まで、とかです。理不尽な距離でも甘んじて走るしかありません」
実際にこうした募集はSNSも含めたネットに散見される。例えば「新規案件大量募集! フードデリバリーの案件です! 案件を自分で取得しなくてもOK! 基本的にエリア内待機です! 安定した収入を得ることができます!」といった具合だ。
「どこのフードデリバリーかも書いてありませんし、12時間の長時間拘束です」
中抜きうんぬんはもちろんだが、これは
「偽装請負」
ではないか。
もちろん、フードデリバリー自体が偽装請負なのではなく委託会社が、だ。下請けである委託会社が孫請けに振るのは双方同意ならどの業態にもある形だが、それに勤務形態などが付帯されると、労働基準法違反の偽装請負で実質的には雇用関係にあるとみなされる。
「1日12時間として拒否権は2回までということはそれなりに走ることになるでしょう。ガソリン代も自腹ですし、この委託会社がマッチングサービスを通して募集をかけていれば手数料も引かれます。それでも仕事をする孫請け、ひ孫請けがいるというのも問題なのでしょうが、あんまりですよ」