「ホームレスも体を洗う権利がある!」 衛生用品も無料で提供、ドイツを走る「シャワーバス」とは何か
ドイツやアメリカなどで活動
ドイツのハンブルグでは、路上生活者にシャワーを提供するシャワーバスが元気に活動している。「路上生活者にも体を洗う権利がある」という考えのもと、支援活動を行っている。
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アメリカのサンフランシスコにおいては、およそ10年前から同じような取り組みが行われてきた。
いずれの取り組みも、乗り合いバスを改造してサービスの提供を開始している。本稿では、シャワーバスに加えさまざまな路上生活者の支援を行うバスを紹介する。
ハンブルグで活動するシャワーバスとは
路上生活者向けのシャワーバスが、ドイツのハンブルグで活動している。7月時点で、金曜日から月曜日にかけて週4日、市内の2か所で路上生活者にシャワーを提供している。このうち、土曜日は女性専用である。
シャワーバスはメルセデス・ベンツのCitaro 530を改装したもので、車内には
・シャワー
・トイレ
・洗面台
の付いたフルシャワールームが3部屋用意されている。
また、シャワーだけでなく、
・タオル
・下着
・靴下
・Tシャツ
・せっけん
・シャンプー
・カミソリ
・生理用品
・歯ブラシ/歯磨き粉
・爪切り
・くし
などの衛生用品も無料で提供している。散髪や医師による検診も受けられるという。
このシャワーバスは、非営利法人のGo Banyo(ゴー・バンユー)により運営されている。Go Banyoを設立したドミニク・ブローも、かつては11年間路上で生活していた。彼は、路上で生活するなかで、体を洗えないことが一番の悩みだったそうだ。汚れた身なりにより人々から距離を置かれる、あるいは路上生活者自身が恥ずかしさから社会から離れるといったように、体を洗えないことに起因する世界の分断を感じたという。
ハンブルグには約2000人の路上生活者がいるものの、シャワー設備は17か所しかなく、明らかに設備が不足していた。そこで彼は、シャワーバスを実現すべく、2019年4月に数人の仲間とGo Banyoを立ち上げ、クラウドファンディングにより約16万8000ユーロ(約2300万円)を集めシャワーバスの運営を開始した。
2020年12月からは、地区当局やプロサッカーチームであるFCザンクトパウリの協力を得て、シャワー村も運営している。