「ホームレスも体を洗う権利がある!」 衛生用品も無料で提供、ドイツを走る「シャワーバス」とは何か
サンフランシスコで活動するラバ・メイ

サンフランシスコでは、Lava Mae(現在はLava Maex)が2014年からシャワーバスを提供している。
設立者であるドニース・サンドヴァルは、2013年のサンフランシスコにおける、住居からの立ち退きを迫られた家族やホームレスに関する体験から、ホームレスへのシャワーの提供を思い立った。
当時、サンフランシスコにはホームレスが約7000人いるといわれているにもかかわらず、公共のシャワー設備が16か所しかなかったそうである。彼女は市が古い公共バスを廃車するニュースを知り、寄付金を集めてバスを買い取り、シャワーバスに改装した。
2014年6月に事業を開始し、2019年9月にはシャワーバスの利用者が3万人を超えたそうだ。この間、ロサンゼルスやオークランドでサービスを開始するとともに、米国内や世界中からのサービスについての問い合わせに対し、助言や運営ノウハウを提供してきた。
Lava Maexは、
「衛生が基本的人権として扱われ、地域社会が結集してラジカルホスピタリティーを提供する世界の実現」
をビジョンに掲げ、2024年までに10万人のホームレスへのサービスの提供を目標としている。
さまざまな取り組みを紹介

ホームレスや生活困窮者に向けて、シャワーバスだけでなく、さまざまな車両がドイツ各地で活躍している。
ドイツのザールラント州の州都であるザールブリュッケンでは、KALTEBUS(ケルテブス)が運営されている。毎年12月中旬から3月末の間、夜の9時から翌朝6時まで、ホームレスに宿泊施設を提供している。
ドイツの首都ベルリンでは、ホームレスに食糧と飲み物を配布するBVG-BUSが運行を開始した。このバスの取り組みが画期的なところは、ベルリンに約2000人いるといわれているホームレスの、できるだけ多くの人と連絡をとるためにホットラインを開設し、サポートを提供していることだ。また、アクセスしやすいように、スマートフォンやSIMカードも提供している。
このほか、ホームレスに医師による診断や投薬を提供するArztmobil(アルツトモビール)もある。開設場所ではたちどころに行列ができ、なかには年間1800人もの手当を行っている車両もあるそうだ。