道路を通るだけで収益化? 米国の最先端「スマートロード」をご存じか
先進技術を使って、道路を収益化する「スマートロード」。国内ではまだ本格的に始まっていないが、海外ではすでにビジネスが動き始めている。
世界各国で行われる実証実験
次の三つも同様だ。
●運転視界を向上させる道路
ドイツの建設会社「Heijmans」は500mのオランダの高速道路で、安全性を向上させるための路肩点灯線の実証実験を行った。路肩にフォトルミネセンス素材を設置し、夜間に点灯することで交通安全性を高める仕組みになっている。
●天候状況を通知する道路
Heijmansは高速道路の路肩だけでなく、路面上における標識を天候によって変化させる舗装技術を検討していた。例えば、雪の標識を表示させることで、運転手が見えない凍った滑りやすい路面の目印になる。
●交通量を検知する道路
上記と同じように、Heijmansは道路にある区画線についても検討していた。自動運転技術では、車両センサーが道路上にある白線等を検知し、道路環境を車両に通知する。その際、道路上の白線が動的に変化することで、車両速度をコントロールしやすくする。例えば、交通量が多い領域で、白線を実線に変化させる一方、交通量が少ない領域においては、白線を点線に変化させる。
このように、世界各国でさまざまな事例が実証実験化、実用化されている。
さて今回、筆者(ジラワット・シッティナムスワン、経営コンサルタント)が所属するリブ・コンサルティングでは、米国のスマートロード企業に
「スマートロードの実用化はどのように企画されたのか」
「そして、どのようなハードルがあったのか」
といったことについて、インタビューする機会を得た。