生産台数は激減でも「販売台数」は増加! コロナ禍に起きた自動車業界の知られざる変容とは
2020年から続く新型コロナウイルス禍は、2022年7月現在、いまだ収束の気配が見えない。この間、自動車業界はどのような影響を受けてきたのか、生産台数・販売台数から考える。
現場が感じる「電車からの置き換わり」

スズキの販売担当者に話を聞くと、
「これまで車を所有していなかった方でも、車を電車やバスに替わる移動手段として考える人が多いようだ。特に2021年末以降は、そうした理由で来店し契約に至るケースが顕著だったと感じる」
「中でも、都市部での乗りやすさや扱いやすさを考慮して、低燃費な軽自動車やコンパクトカーなどを求めるケースが多かった。他社メーカーでも同じような傾向にあると聞いている」
「結果として、2021年の年末頃から需要と供給のバランスが崩れ、車を購入しても納車までに時間を要するケースが増えてきている。2022年の夏になっても納期が長くなる傾向はあまり解消されていない」
と話す。
2020年4~5月は大幅な生産台数減となり、その影響は2022年7月現在も続いている。収益減少、赤字転落となっているものの、それ以降は目立った落ち込みになっていないというのが、自動車業界の現状だと言える。