生産台数は激減でも「販売台数」は増加! コロナ禍に起きた自動車業界の知られざる変容とは

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2020年から続く新型コロナウイルス禍は、2022年7月現在、いまだ収束の気配が見えない。この間、自動車業界はどのような影響を受けてきたのか、生産台数・販売台数から考える。

一方の販売台数が増加しているナゾ

自動車製造・販売現場のイメージ(画像:写真AC)
自動車製造・販売現場のイメージ(画像:写真AC)

 中国で作られた部品の調達を行っている日本企業の担当者は「コロナ禍以前のような部品調達体制に戻れる見通しは立っていない」と話す。また、自動車部品は代替が難しいことも多く、すぐに操業が停止する可能性も否定できないという。

 こうした状況の中、販売台数にはどのような影響を与えているのか。

 MarksLineによると、2021年のGMの世界販売台数は、年間629.1万台で前年比-7.8%と落ち込んだものの、トヨタは1049.6万台で前年比10.1%の増加、スズキは276.4万台で前年比12.9%の増加となっている。

 こうして見てみると、生産台数が減少しているからといって必ず販売台数も減少するとは限らない。むしろここ1、2年の統計では増加しているメーカーも多い。

 その背景には、車が感染のリスクを低減できる移動手段として注目されていることが挙げられるだろう。

 車は電車やバスなどの公共交通機関と比べて、不特定多数の人が大勢で乗ることがない。コロナのような感染症禍で最も適した移動手段と言えるのかもしれない。

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