自動車だけじゃない! 鉄道にも「ハイブリッド車両」が普及し始めている身も蓋もない事情

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ハイブリッドが近年、鉄道分野にも展開されている。その背景にはいったい何があるのか。

「電化区間を非電化にする」の裏側

非電化区間のイメージ(画像:写真AC)
非電化区間のイメージ(画像:写真AC)

 一方、鉄道会社が

「電化区間を非電化にする」

と考えているとしたら、

「時代に逆行している」
「意味が分からない」

と感じる読者が多いだろう。

 しかし、決して時代に逆行しようとしているわけでもなく、無意味に非電化にしようとしているわけでもない。そこには鉄道会社が抱える経営の悩みが潜んでいるのだ。

 前述のとおり、非電化区間を電化するためには膨大な費用がかかり、電化区間を維持するためにも膨大な費用がかかる。非電化区間の場合、トンネル区間を除けば主に線路が敷いてある「地面」および地面より下だけを点検・整備すれば良い。一方、電化区間はそれらに加えて、架線や架線柱といった線路の「上空」にまで目を向けなければならない。

 この上空部分を点検・整備することは、鉄道会社にとって手間も費用もかかる。これは単純に上空設備分の部品代が増加するという意味ではない。当然、上空部分にそれ相応の時間と人員を割かなければならず、部品代に加えて人件費も増加し、一区間当たりの対応時間も増加するのだ。

 前述の地球環境問題の話と同様、それなりの収益が見込める区間であれば問題ない。しかしながら、非電化区間のみならず、特にローカル線を中心に、電化区間であっても赤字路線は数多く存在する。そうした路線にとって、上空部分の点検・整備にかかる手間と費用は決して無視できない問題なのだ。

 こうした問題の解決策として、赤字電化区間への導入が検討され始めているのがHV車両だ。HV車両であれば車載のディーゼルエンジンで発電するため、上空設備を必要としない。ゆえに、当該区間の点検・整備に係る手間と費用を大きく削減することができるのだ。

無視できないさまざまな問題

水素燃料電池と主回路用蓄電池ハイブリッドの先進鉄道車両「HYBARI」(画像:JR東日本)
水素燃料電池と主回路用蓄電池ハイブリッドの先進鉄道車両「HYBARI」(画像:JR東日本)

 近年あらゆる業界で、長時間労働や労働環境、人件費の問題が多く取り沙汰されている。それは鉄道会社にとっても例外ではないが、HV車両の導入により、より多くの危険を伴う高所での作業が大幅に削減でき、かつ労働時間や人件費の削減もできる。

 また、場合によっては浮いた分の時間を利用して、無理のない範囲で社員を他の作業に従事させることも可能だ。これは鉄道会社にとってもその社員にとっても喜ばしいことだろう。

 あえて気動車ではなくHV車両を導入するのは、前述の通り地球環境問題の解決を見据えた選択だ。それに加えて、HV車両特有のエネルギー効率の良さ、すなわち燃費の良さは鉄道会社が負担する燃料代の削減にもつながる。近年、原油価格が高止まりし続けているため、燃料代は鉄道会社にとっても決して無視できる問題ではない。

 このようにHV車両は鉄道会社の経営効率を向上させ、鉄道会社のみならずその社員も救う。HV車両は今後の地球、鉄道会社とその社員にとって「救世主」とも言うべき存在なのかもしれない。

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